Category

運営会社について

UXリサーチとは?具体的な手順や質を高めるポイントを解説!

優れた製品・サービスの開発には、ユーザーの本質的なニーズを把握することが不可欠です。しかし、「自社が作りたいもの」に注力するあまり、ユーザーが求めているものを見失ってしまうケースは少なくありません。そこで役立つのが、ユーザーの声や行動を調査する「UXリサーチ」です。

今回は、UXリサーチの概念から実践方法、活用ポイントまで詳しく解説します。

UXリサーチとは

UXリサーチとは、主にUXデザインのために行うユーザー体験に関する調査のことです。

製品・サービスの購入時や利用時に付随する「商品を快適に購入できた」「商品が使いやすい」「便利な機能がついている」といった体験や感情を調査します。

ユーザーの声や行動データを収集・分析することで、ニーズに合った適切な改善策を提案しやすくなります。

特に、解析ツールの活用など通常のリサーチ手法だけではユーザーの実態が見えにくい分野(専門性の高い業界向けのサービス、プライバシーに関わる領域、新規性の高いサービスなど)では、UXリサーチが不可欠です。

UXリサーチの重要性

UXリサーチを通じて、ユーザー視点を取り入れる具体的なメリットについて解説します。

ユーザー中心の製品開発を実現する

UXリサーチは開発チームが「自分たちが作りたいもの」ではなく「ユーザーが本当に求めているもの」に焦点を当てます。そのため、顧客の表面的な要望だけでなく、その奥に潜む本質的なニーズ(ユーザーインサイト)に基づいた、価値ある製品を開発できます。

また、UXリサーチに基づく製品開発は長期的な顧客ロイヤルティの構築にもつながります。ユーザーが本当に必要としている問題を解決する製品は、継続的に利用され、愛着を持たれやすくなります。

リピート利用や口コミによる拡散といった好循環も生まれやすくなり、持続的な事業成長につながるのです。

プロジェクトの方向性を明確にする

UXリサーチはチーム全体の共通認識をつくる上でも役立ちます。

開発者、デザイナー、マーケターなど、さまざまな職種のメンバーがサービス・商材の方向性について共通の理解を持つことは非常に重要です。UXリサーチを通じて「誰の」「どんな課題を解決するのか」が明確になれば、チーム内での認識のずれが解消され、効率的なプロジェクト進行が可能になります。

プロジェクトの方向性が明確になれば、無駄なコミュニケーションコストも削減でき、開発スピードの向上につながります。

開発における手戻りや失敗リスクを軽減する

UXリサーチによって、開発プロセスの早い段階でリスクを特定でき、本格的な開発リソースを投入する前に問題点を発見し修正できます。

そのため、開発途中の大幅な方向転換や、リリース後の低評価といったリスクを軽減できます。

結果として、開発コストの削減や市場投入までの時間短縮につながり、ビジネス全体の効率化に貢献します。

UXリサーチの手順

ここでは、効果的なUXリサーチを実施するための5つのステップを解説します。

ステップ1|目的の明確化

まずは、プロジェクトの全体目標やユーザーが抱えている課題、ニーズを整理しながら、UXリサーチの目的を明確化しましょう。

調査を通じて何を明らかにしたいのか、検証したい仮説を具体的に定義することが大切です。例えば「アプリのオンボーディングフローが新規登録のユーザーにとって分かりやすいか」「新機能の価値が現在利用中のユーザーに伝わるか」のように言語化します。

ステップ2|手法・計画の決定

目的が明確になったら、最適なリサーチ手法と計画を選定します。

ユーザーインタビュー、アンケート調査、ユーザビリティテスト、ログ分析、ヒューリスティック評価など、多様な手法の中から目的達成に最適なものを選択します。定性調査と定量調査を組み合わせることで、行動データとその背景にある理由の両方を把握できます。

次に調査設計を行います。調査の具体的な項目や、調査対象者を選定し、スケジュールや体制を計画します。対象ユーザーの選定は特に重要で、ペルソナに合致した条件(年齢、職業、使用頻度など)を設定しましょう。

調査規模(サンプル数)や予算、スケジュールなどの実務的な計画も、この段階で決定します。

関連記事:「ヒューリスティック評価とは?具体的なメリットや評価基準などを解説

ステップ3|調査の実施

計画した手法に沿って、実際のユーザーからデータを収集します。

調査中はメモや録音、場合によっては画面録画などで情報を記録します。特にユーザビリティテストのような行動観察では、ユーザーの操作や反応を詳細に記録し、つまずいたポイントや迷った箇所を見逃さないようにすることが大切です。

ステップ4|データ分析

次に、収集したデータを整理し、インサイトを抽出します。

収集したデータを分析しやすいように、定性データと定量データに分け、それぞれに適した分析手法を用いることが大切です。

例えば、定性データ分析ではインタビュー内容のテーマ分析や、感情分析、ペルソナ作成などを行います。複数の回答から共通するパターンやテーマを見つけ出し、ユーザーの行動や思考の背景にある理由を構造化します。

定量データ分析ではログ分析や統計的な分析などを行い、傾向やパターンを把握します。特定の機能の使用率やドロップアウトが多い画面、ユーザー属性による利用傾向の差異などを数値で把握します。両方のデータを組み合わせることで、「何が起きているか」と「なぜそれが起きているか」の両面から問題を理解できます。

ステップ5|課題の特定・仮説立案

分析結果からユーザーの課題を洗い出し、仮説立案・検証につなげます。

データ分析から得られた知見をもとに、ユーザー体験における具体的な課題を特定し、さらに改善のための仮説を立案します。

ここで定めた改善案を実装した後は、再度リサーチを行いましょう。この継続的なサイクルによって、ユーザー体験の向上が実現します。

UXリサーチを通じてユーザー体験を最適化するポイント

UXリサーチから得られた知見を効果的に活用するための重要なポイントを解説します。

適切な調査対象者を選ぶ

UXリサーチの質は、調査対象者の選定によって大きく左右されます。

自社サービスのペルソナに合致した条件(年齢、職業、行動特性、思考特性など)を設定し、それに沿って対象者を選定しましょう。

また、将来的にターゲットを広げていく場合は、それも考慮して選ぶと効果的です。サービスの拡張性や成長可能性を見据えたインサイトを得られます。

バイアスを排除する

中立的な視点で質問を設計し、回答を誘導しないよう注意して調査を行うことが不可欠です。

UXリサーチでは、確証バイアス(自分の仮説を支持する情報ばかりを集めてしまう傾向)や社会的望ましさバイアス(質問者が望む回答を察して答えてしまう傾向)などが生じやすくなります。

例えば「このサービスを利用したいですか?」と直接聞くのではなく、「このサービスをどう思いますか?」と開かれた質問をすることで、より率直な意見を引き出せます。

解像度の高いUXリサーチなら「Proximo」

社内にリソースがない場合や、効果的なUX改善を目指すならプロに依頼することをおすすめします。

Proximoでは調査の目的設定から調査のプランニング、設問設計、さらに調査結果・データに基づくUI/UX改善までご支援が可能です。UI/UXデザイン専門家がアプリやウェブなどのUI/UXデザインに関する幅広い業務を支援しています。

デザインから開発まで一貫して提供するだけでなく、デザイナーがクライアントチームの一員として参画するサービスも提供しています。課題解決や事業成長につながる「体験設計」を重視し、要件変更や追加にも柔軟に対応します。

>>Proximoのサービス詳細はこちら

▼ご支援実績を知りたい方はこちら
>>UXリサーチを実施したご支援事例

まとめ

UXリサーチはユーザー視点を製品開発に取り入れる不可欠な手法です。目的の明確化から始まり、適切な調査設計と実施、データ分析、そして改善へと続くサイクルを通じて、ユーザーの本質的なニーズを捉えた製品開発が可能になります。

社内リソースに限りがある場合は、専門家のサポートも活用し、より解像度の高いUXリサーチを実施していきましょう。

Latest Posts新着記事

Keywordsキーワード