ペルソナとカスタマージャーニーマップの違いや作り方を徹底解説!
現代のマーケティングにおいて、顧客理解は成功のカギを握ります。その中でも「ペルソナ」と「カスタマージャーニーマップ」は、ユーザー視点を取り入れた施策設計に欠かせない手法です。
しかし、「そもそもペルソナとは?」「カスタマージャーニーマップはどう使えばいいの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、ペルソナとカスタマージャーニーマップの基本的な考え方から、実際の作成手順、注意点、活用方法までを徹底解説します。
目次
ペルソナとは何か?

ターゲットとの違いを明確に理解する
ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する「もっとも象徴的な顧客像」を、詳細な情報をもとに具体的に描いた架空の人物のことを指します。
たとえば、35歳の会社員、既婚、都内在住、通勤時間は片道1時間、趣味はランニング…といったように、実在しそうなレベルで詳細に設定されるのが特徴です。
一方でターゲットとは、「30代の男性会社員」のように、より広範な層を指します。つまり、ペルソナはターゲットの中から特に典型的なユーザーを具体化したもので、よりリアルな顧客像を社内で共有するためのツールといえます。
ペルソナを正しく設定することで、チーム内での顧客イメージのズレを防ぎ、広告コピー、デザイン、営業トークなどの方向性が統一されます。
また、ユーザーの行動や感情を想像しやすくなるため、カスタマージャーニーマップの作成もスムーズになります。
しかし注意が必要なのは、ペルソナを“理想の顧客”として都合よく作ってしまうこと。これでは現実と乖離してしまい、実際の施策に結びつかない可能性があります。
ペルソナ設定の具体的な手順とポイント
ステップ1:ペルソナに必要な項目を洗い出す
ペルソナを作成する最初のステップは、設定すべき情報項目を整理することです。
名前や年齢、職業といった基本情報に加え、生活スタイルや価値観、悩み、情報収集の方法、購買行動など、マーケティングに関係する情報を明確にします。ここで重要なのは「どのような視点でユーザーを見るべきか」を事前に定義しておくことです。これにより、後の情報収集や分析がぶれずに済みます。
ステップ2:データに基づいて情報を収集する
次に必要なのが、設定した項目に沿ってデータを集めることです。
自社の顧客データ、Webアクセス解析、アンケート、インタビューなど、多様な情報源を活用しましょう。
特に実際の顧客の声や行動データは、現実に即したペルソナ作成に不可欠です。ここでのポイントは「思い込みを排除すること」。担当者の感覚だけでペルソナを作ると、ズレた顧客像になる可能性があるため、客観的なデータを重視します。
ステップ3:情報を整理してリアルな人物像を描く
収集した情報をもとに、ひとりの架空の人物としてストーリー性を持たせながらペルソナを構築します。
たとえば、「佐藤太郎さん、38歳、都内在住の営業職。朝は電車でスマホをチェックし、週末は家族と過ごす。仕事では効率化に関心が高く、新しいツールに積極的」など、リアルな人物像に仕上げることで、チーム全体で同じ顧客像を共有しやすくなります。
ステップ4:ペルソナの体験ストーリーを設計する
最後に、ペルソナがどのような課題を抱え、どうやって商品やサービスに出会い、購買に至るのかという一連の流れをストーリー化します。
これが後のカスタマージャーニーマップ作成にも直結します。感情の変化や行動の動機もあわせて描くことで、より深い顧客理解につながり、マーケティング施策の具体性と説得力が増します。
このように、ペルソナ設定は単なる情報の寄せ集めではなく、実在するかのような一人の顧客を具体化し、施策の軸を定めるためのプロセスです。的確な手順を踏むことで、現場の判断に一貫性が生まれ、成果につながるマーケティングが実現できます。
ペルソナ作成の詳細は、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:ペルソナの作り方を完全解説!具体的な手順と活用方法を紹介
カスタマージャーニーマップとは?
顧客体験を可視化するためのフレームワーク
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスに接触し、購入や利用に至るまでのプロセスを可視化するためのフレームワークです。ユーザーがどのような行動や感情、課題を持って移動していくのかを時系列で整理し、マーケティングやサービス改善の方向性を見出すために活用されます。
例えば、「サービスを知る」「情報収集をする」「比較検討する」「購入する」「利用後に評価する」といった一連の流れをフェーズごとに分け、それぞれのフェーズでのユーザー心理や接触ポイント(タッチポイント)を整理します。これにより、企業側の視点では見えにくい顧客体験のギャップや課題が明らかになります。
なぜカスタマージャーニーが必要なのか
企業が提供する製品やサービスが顧客に届くまでには、多くのプロセスが存在します。しかし、その流れが断片的にしか理解されていないと、的外れなマーケティング施策やUX設計につながってしまいます。
カスタマージャーニーマップを使えば、顧客の体験を一貫して捉えることができ、施策の整合性を高めることが可能になります。
また、部門間で顧客理解を共有するためのツールとしても有効です。マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、顧客接点を持つ各部署が同じ「顧客の旅」を認識することで、統一された施策展開ができるようになります。
マーケティング戦略とUX設計に直結する
カスタマージャーニーマップは、単なる分析資料ではなく、戦略に活かすための実用的なツールです。マーケティング施策の優先順位を決めたり、Webサイトの導線設計を見直したりする際にも大いに役立ちます。
顧客がどのタイミングで不安や疑問を抱くのかが明確になるため、的確なメッセージを届けることができ、離脱を防ぐことも可能になります。
ユーザー中心の発想が求められる今、カスタマージャーニーマップの存在は欠かせません。特にオンラインとオフラインが融合する時代では、顧客体験の設計が企業の競争力を左右します。
このように、カスタマージャーニーマップは顧客理解を深め、部門を横断した統一的な施策を推進するための強力なツールです。企業のマーケティング活動を顧客起点に変革するための第一歩として、導入を検討すべき価値があります。
カスタマージャーニーマップの作成手順とフレームワーク
ステップ1:ペルソナごとのゴールを明確にする
カスタマージャーニーマップを作成する最初のステップは、顧客がそのサービスや商品を通じて達成したい「ゴール(目的)」を明らかにすることです。
このゴールは、購入だけでなく「問題の解決」や「安心の獲得」「理想の自分への変化」など、多岐に渡ります。顧客視点で設定されたゴールを起点にマップを構築することで、真に求められる価値提供が見えてきます。ペルソナごとに異なるゴールがあることも多いため、それぞれに合わせた設計が重要です。
ステップ2:行動プロセスをフレームで可視化する(AIDMA/AISAS/DECAX)
顧客がゴールに至るまでの行動を整理する際には、フレームワークを活用することで抜け漏れのない設計が可能になります。たとえば「AIDMA」は、Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)の流れで顧客心理を整理します。
「AISAS」は、ネット行動を前提とし、Search(検索)とShare(共有)を含んだ構造です。
さらに「DECAX」は、より双方向的なデジタル体験を前提としたモデルで、顧客が共感して行動に至るまでの過程を丁寧に追えます。
ステップ3:タッチポイントと課題を整理する
次に、それぞれの行動プロセスにおいて、顧客が接触するタッチポイント(Web広告、店舗、SNS、メールなど)を洗い出します。
そして各タッチポイントにおける顧客の心理状態、抱えている課題、不安要素を具体的に記述していきます。これにより、どこで顧客が離脱しやすいのか、どの場面で情報提供が不足しているのかが明らかになります。
ステップ4:マップを改善し続ける体制を整える
作成したカスタマージャーニーマップは、あくまで「現時点での仮説」に過ぎません。実際の顧客行動やフィードバックに応じて、継続的にアップデートしていくことが成功の鍵です。
マップを固定化せず、マーケティング施策やユーザーインタビューなどの結果をもとに柔軟に改善していく体制を整えましょう。PDCAを回す仕組みを取り入れることで、常に顧客視点に立ったサービス改善が可能になります。
このように、カスタマージャーニーマップは、顧客の行動と心理を一貫して捉え、企業のマーケティング活動に具体性と説得力を与える強力なツールです。しっかりと手順を踏み、顧客起点の視点を軸にした施策設計に活かしていきましょう。
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作成時に注意すべきペルソナとカスタマージャーニーマップの落とし穴

複数ペルソナの必要性と対応方法
カスタマージャーニーマップを作成する際に見落とされがちなのが、「複数のペルソナを設定すべきケースがある」という点です。一つのペルソナだけに絞ってマップを作成すると、実際の顧客の多様なニーズや行動を取りこぼしてしまう可能性があります。
例えば、同じ商品であっても「若年層の情報感度の高いユーザー」と「中高年で慎重に検討するユーザー」とでは、購買に至るまでのプロセスが大きく異なります。それぞれに適したジャーニーマップを用意することで、きめ細やかなマーケティング施策が可能になります。
とはいえ、ペルソナを無限に増やしてしまうと管理や運用が煩雑になるため、自社の戦略上、重要なペルソナに絞って設定することが肝要です。
思い込みを排除して顧客理解を深める
ペルソナやカスタマージャーニーマップを作る上で最も注意すべきは、「担当者の主観による思い込み」が入り込んでしまうことです。たとえば、「うちの顧客はこう感じているはずだ」と決めつけてしまうと、実際のユーザーの声と乖離した内容になります。
そのためには、実際の顧客データやヒアリング結果を活用し、客観的な視点で顧客像を描くことが不可欠です。
インタビューやアンケートを通じて得た事実をもとにストーリーを構築することで、よりリアリティのあるペルソナとジャーニーが完成します。
一貫性のない情報設計を避ける
ペルソナとジャーニーマップを別々に作成してしまい、整合性が取れていないケースも注意が必要です。たとえば、ペルソナでは「時間に余裕がないビジネスマン」と設定しているのに、ジャーニーマップでは長時間にわたる情報収集を前提にしている、など矛盾が生じてしまうと、施策に説得力がなくなります。
情報設計は常に一貫性を持たせ、ペルソナとジャーニーが連動していることを確認する必要があります。
形だけで終わらせず活用に結びつける
もう一つありがちな落とし穴は、ペルソナやジャーニーマップを「作ることが目的」になってしまうことです。
資料として整っていても、実際のマーケティング施策や改善活動に活かされなければ意味がありません。作成後は具体的にどの施策に反映するか、どの部署がどのように使うのかまで設計し、活用フェーズに結びつけることが求められます。
実際の現場で使われてこそ、これらのフレームワークの価値は発揮されます。作成→共有→実践→改善というサイクルを回すことで、組織全体での顧客理解が進み、施策の成果にもつながっていきます。
マーケティング戦略におけるカスタマージャーニーとペルソナの重要性
顧客理解が精度の高い戦略を生む
ペルソナとカスタマージャーニーマップは、マーケティング戦略の要です。特に、顧客理解の深さは、施策の成果を左右する重要な要素です。
ターゲットを広く設定するだけでは、顧客の具体的な行動や心理にまで踏み込んだ施策は打てません。ペルソナによってユーザー像を明確化し、ジャーニーマップによって行動の流れや接点を整理することで、顧客のリアルな課題やニーズが浮き彫りになります。
これが、競合と差別化された戦略を築く土台となります。
全社的な一貫性を生む共通言語になる
マーケティングは、営業、開発、カスタマーサポートなど他部門との連携が欠かせません。その中で、ペルソナとカスタマージャーニーマップは「共通言語」として機能します。
部署ごとに異なる顧客理解を持っていては、施策の方向性にズレが生じます。ペルソナを通して具体的な顧客像を共有し、ジャーニーによって接点ごとの役割を明確にすることで、チーム間の意思疎通がスムーズになります。結果として、企業全体で一貫性のある顧客体験を提供できるようになるのです。
施策の優先順位が明確になる
顧客視点でマーケティングを設計すると、課題の重要度や改善すべきポイントが自然と見えてきます。
カスタマージャーニーマップを活用することで、どこに注力すべきかが明確になり、無駄な施策を減らし、限られたリソースを効率的に配分できます。
これは特に中小企業や少人数チームにとっては、大きなメリットです。
顧客体験を軸にした継続的な改善が可能になる
マーケティング環境は常に変化しています。顧客の価値観や行動様式も日々移り変わる中で、静的な分析だけでは対応が難しくなってきました。
ペルソナとカスタマージャーニーマップは、変化に対応する柔軟性を持ったフレームワークです。定期的な見直しや顧客インタビューを通じて、顧客理解をアップデートし、それをもとに施策のPDCAを回していくことで、常に顧客ニーズにフィットした戦略を保つことができます。
このように、ペルソナとカスタマージャーニーマップの活用は、戦略レベルでの意思決定から、現場レベルでの施策設計まで、多層的に効果を発揮します。顧客中心のアプローチを確実に実現するためにも、マーケティング活動の基盤として積極的に取り入れていくべきです。
まとめ
マーケティングの精度を高め、顧客体験を最大化するためには、ペルソナとカスタマージャーニーマップの理解と活用が欠かせません。
ペルソナは顧客像をリアルに描くための設計図であり、カスタマージャーニーマップはその顧客がどう行動し、どのような心理でサービスに接触していくかを時系列で可視化するためのフレームです。
この記事では、それぞれの基本的な意味から、作成手順、活用時の注意点まで詳しく解説しました。特に重要なのは、事実に基づいたペルソナ設定と、ゴール起点で設計されたカスタマージャーニーをリンクさせることです。
思い込みや独りよがりな仮説を避け、データと現場の声を組み合わせることで、説得力のある施策を立案できます。
ペルソナとカスタマージャーニーマップは、すべてのマーケティングの基盤。今後の戦略構築において、ぜひこの記事の内容を実務に活かしてみてください。
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