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DX推進を内製化するメリット!必要な役割や失敗例・対策も解説

DX推進の内製化には多くのメリットがありますが、どこから始めるべきか、どのように進めていくかが課題となる企業も少なくありません。内製化を進めることで、コスト削減や柔軟なシステム運用が可能になりますが、成功には明確なビジョンと適切な体制が必要です。

今回は、DX推進における内製化の重要性とそのメリット、失敗しないためのポイントについて解説します。

DX推進を内製化する重要性・メリット

内製化を進めることは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、企業の競争力を強化するための重要なステップとなります。ここでは、内製化を推進する重要性とメリットについて解説します。

コストの削減につながる

内製化は、短期的には人件費や採用・育成のコストがかかりますが、長期的には外部ベンダーへの費用を大幅に削減できます。

特に、システム開発や運用に関するコストが安定し、外部依存から脱却できることで、持続的な経費削減が期待できます。自社内での開発が進むことで、長期的に見た時のROI(投資利益率)が向上し、経営層からの評価も得やすくなります。

メンテナンスやカスタマイズを迅速に行える

外部ベンダーに依存していると、システムのメンテナンスやカスタマイズに時間がかかる場合があり、ビジネスの変化に柔軟に対応することが難しくなります。

内製化を進めることで、システムの改修やアップデートを迅速かつ柔軟に行うことができ、企業のニーズに即した対応が可能になります。特に、ビジネス環境の変化に合わせたシステム変更がスピーディーに実施できるため、競争優位性を維持しやすくなります。

DX推進を内製化するプロセス

DXの内製化は、企業の競争力を高めるために非常に重要なステップです。ここでは、内製化を進める際のプロセスについて解説します。

現状の把握から始まり、計画書の作成、開発・テストを経て、最終的には内製化が完了するまでの流れを理解しましょう。

1.現状の把握と目的の明確化

内製化を進める前に、現状を正確に把握し、どの部分が問題になっているのかを明確にすることが重要です。

システム開発やDXプロジェクトにおいて、外部ベンダーへの依存が続くことで、コストが膨らんでいる場合や、迅速な対応ができていない場合があります。

「どのプロセスが遅延しているのか」「コストがどれほど増加しているのか」を定量的に評価しましょう。その上で、内製化の目的を明確にすることが、プロジェクト成功への鍵となります。

2.計画書の作成

内製化を進めるためには、組織体制の構築や必要な人材の確保、人材育成も含めた詳細な計画書を作成することが必須です。

また、業務の分担やリソースの配置も詳細に記載しましょう。どの部分をどの部署で対応するのか、どのようにスキルを獲得し育成していくのかを明確にすることで、実行段階での混乱を防げます。

そのほか、内製化後の運用体制や評価方法についても記載しておくことが望ましいでしょう。

3.開発とテスト

システム開発においては、テストをしっかり行うことで、初期段階での不具合を早期に発見し、解決することが可能です。システムの機能面だけでなく、運用性やユーザー体験(UX)も検証しましょう。

内製化は一度に完了させるものではなく、段階的に進めてリスクを最小限に抑えることが理想です。そのため、最初は簡易的なシステムから内製化を始め、問題点を洗い出しながら徐々に範囲を広げていくことをおすすめします。

4.継続的な改善と検証

内製化の体制を構築したあとも、進捗状況を評価して、定期的な改善と検証を行いましょう。定期的な評価と改善を行うことで、システムを常に最新の状態に保つことができ、業務ニーズに即応できるようになります。

そのほか、担当者のスキルアップや組織内でのナレッジ共有も継続的に進めていきましょう。これにより、企業は外部依存から脱却し、より自律的な運用体制を確立できます。

DX推進の内製化に必要なポジション・職種

DX推進を内製化するためには、必要なスキルや知識を持った人材の確保が欠かせません。

IPA(情報処理推進機構)が提唱する「DX推進スキル標準」には、内製化に必要な職種と役割が整理されています。これを参考に、どの職種をどのように配置すべきか、そしてそれぞれが担うべき役割について解説します。

出典:IPA(情報処理推進機構)「DX推進スキル標準(DSS-P)概要

ビジネスアーキテクト

ビジネスアーキテクトは、企業のDX戦略を立案し、ビジネスとITの橋渡し役を担う重要なポジションです。他のIT職種と連携しながら、企業全体のDX推進計画における目標や方針を定め、業務改革の方向性を決定する役割があります。

企業の事業戦略にもとづいたデジタル活用の計画を立てる能力が求められます。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、膨大なデータを分析し、有益なインサイトを引き出す役割を果たします。機械学習やAIなどの技術を駆使し、データにもとづく意思決定をサポートします。

データサイエンティストがいると、ビッグデータやIoTを活用した分析により、企業の業務効率化や新たなビジネスチャンスの発見が可能になります。

サイバーセキュリティ

DX推進においては、セキュリティ対策が極めて重要です。サイバーセキュリティの専門家は、企業のデジタル資産やデータを保護し、外部からの攻撃や不正アクセスからシステムを守ります。

リスクアセスメントを行い、企業のシステムやネットワークを常に監視・改善し続けるのが主な役割です。

ソフトウェアエンジニア

ソフトウェアエンジニアは、DX推進において実際のシステム開発を行う中核となる役割を担います。内製化の進行においては、社内で自社システムやアプリを開発できるスキルが求められます。

ソフトウェアエンジニアは、開発したシステムを運用可能な形に仕上げ、さらなるカスタマイズや新機能の追加も担当します。

デザイナー

デザイナーは、DX推進においてユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)の設計を担当します。デザインが優れていると、社内外の利用者の使いやすさや満足度が向上し、デジタルシステムが定着しやすくなります。

内製化の過程では、デザイナーがユーザー視点を取り入れて、使いやすく、視覚的に魅力的なシステムを作り上げることが求められます。これにより、最終的には企業のブランド力やユーザーのエンゲージメント向上につながります。

DX推進の内製化でよくある失敗とポイント

DX推進の内製化は、多くの企業にとって重要なステップですが、いくつかのよくある失敗に直面することもあります。これらの失敗を避けるためには、事前にしっかりとした対策を講じることが必要です。

ここでは、よくある失敗とその回避ポイントについて解説します。

よくある失敗1|内製化の目的・範囲があいまい(コスト増)

内製化の目的や範囲があいまいになると、全体の効率が悪くなり、最終的にはコストが増加する可能性が高くなります。

この失敗を回避するためには、経営層が内製化のビジョンを全社的に伝えることが重要です。これによって、組織全体が同じ方向を向きやすくなります。

さらに、段階的なロードマップを作成し、計画的に進めることで、内製化が着実に進行し、無駄なコストを避けることができます。

よくある失敗2|従業員のスキル不足・人材育成が追い付かない

急に新しいシステムを導入した際、従業員のスキル不足が露呈することが多くあります。

特に、社内にデジタル技術に精通した人材が不足している場合、スキル向上が追い付かず、内製化が停滞する可能性があります。また、人材育成の体制を整えるのにも時間がかかり、すぐに対応できないという問題も生じがちです。

この失敗を回避するためには、まず小規模なプロジェクトから始めて、社内のスキルを段階的に向上させることが有効です。

また、社内のリソースだけでは不十分な場合は、特定の範囲を外部に委託することも検討しましょう。外部の専門家と協力しながら開発を進めることで、実践的なスキルやノウハウを効率的に吸収できます。

まとめ

内製化を成功させるためには、目的と範囲を明確にし、スキルアップと段階的な進行が欠かせません。また、効率的な進行にはプロのサポートも重要です。Proximoでは、デザインから開発まで一貫したサービスを提供し、DX推進における「デザイナー」としても参画可能です。さらに、企業に合わせたカスタマイズトレーニングも提供しています。

詳細は以下リンクからご覧ください。

>>Proximoのサービス詳細はこちら

なお、DX推進に関する支援事例については以下リンクからご覧いただけます。

>>DX推進とデジタル戦略におけるUI/UXデザイン支援(野村證券社)事例

>>社内向けデザイン研修設計・実施支援(JR東日本情報システム社)事例

 

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