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オブジェクト指向UIデザインとは?基本から直感的な操作を実現する設計のすべて

近年、複雑化するソフトウェアや業務システムにおいて、「使いやすさ」を実現するためのUI設計がますます重要視されています。

従来のタスク中心のUI設計では、ユーザーの意図や操作の流れとUIが一致せず、混乱や使いづらさを招くことも少なくありません。こうした課題を解決するアプローチとして、今注目されているのが「オブジェクト指向UIデザイン(OOUI)」です。

この記事では、OOUIの基本概念からメリット、設計プロセス、導入の実践テクニック、さらに活用事例に至るまで、現場で役立つ情報を網羅的に解説します。

オブジェクト指向UIデザインとは?

オブジェクト指向UIデザインの基本概念と背景

オブジェクト指向UIデザイン(Object-Oriented User Interface Design)は、ユーザーが「何をしたいか」よりも「何に対して操作したいか」を起点にUIを設計する考え方です。

従来のUI設計は「予約をする」「送信する」など、行動(タスク)を主軸に考えるのが一般的でした。しかし、OOUIでは「宿泊施設」「顧客」「商品」といった“オブジェクト=操作対象”を中心に情報と操作を構成します。

この設計手法の背景には、ユーザーがソフトウェアと接するとき、頭の中で操作対象(オブジェクト)を先に認識しているという人間の認知特性があります。

つまり、ユーザーは「予約する」前に「どの宿を予約するか」を考えるのです。OOUIはこの自然な思考の流れに沿うことで、より直感的なUIを実現します。

日常にあるオブジェクト指向UIの具体例

OOUIは実は私たちの日常に数多く存在しています。

例えば、スマートフォンの「写真」アプリでは、各写真がオブジェクトであり、それを選択すると「共有する」「削除する」といったアクションが表示されます。この構造はまさにOOUIの典型で、ユーザーがまず“何に対して操作を行うか”を選び、その後に“何をするか”を選択します。

また、地図アプリでは地点(場所)というオブジェクトをタップすると、「ルートを検索」「お気に入りに登録」などのアクションが現れます。

これもユーザーの思考と合致しており、自然な操作感を生み出しています。

タスク指向UIとの違いとユーザー体験の差

タスク指向UIでは、ユーザーが実行したい「行動」から画面遷移が始まります。

一方、OOUIでは「宿泊施設」や「商品」といったオブジェクトをまず一覧表示し、それを選ぶことで「予約する」や「詳細を見る」といった操作が可能になります。

この違いは、ユーザーが感じる分かりやすさに大きな影響を与えます。OOUIでは、ユーザーの視点と画面構成が一致するため、迷いが少なく、操作の学習コストも下がります。

特に、複雑な情報を扱う業務アプリケーションでは、タスク指向よりもOOUIの方が直感的で理解しやすい傾向にあります。

なぜ今、オブジェクト指向UIデザインが注目されているのか?

近年、SaaSや業務アプリケーションの多機能化に伴い、従来のタスクベースのUI設計では複雑さに対応しきれないケースが増えてきました。そうした中、ユーザーの認知に寄り添い、情報と操作を統合的に整理できるOOUIが再評価されています。

こうした背景から、UIの設計思想として、OOUIは単なるデザイン手法ではなく、「複雑な機能をわかりやすく伝えるための設計原理」として、さまざまな分野で注目を集めています。

オブジェクト指向UIデザインを採用することで得られるメリット

ユーザー側が得られるメリットとは?

オブジェクト指向UIデザインを取り入れる最大のメリットは、ユーザーの思考と操作の流れが自然に一致する点にあります。

ユーザーは普段、頭の中で「何を操作するか」を考えたうえで「何をしたいか」を判断します。OOUIはこの流れをそのままUIに反映することで、直感的な操作体験を提供します。

さらに、情報とアクションがオブジェクト単位でまとまっているため、操作中にコンテキストを見失いにくくなり、複雑な機能でも安心して扱うことができます。

開発チームにとっての設計効率と拡張性の向上

OOUIはユーザーにとってのメリットだけでなく、開発チームにも多くの利点をもたらします。まず、UIコンポーネントをオブジェクト単位で設計できるため、再利用性が高く、開発効率が大きく向上します。

例えば「商品」というオブジェクトのビューを一度設計すれば、それを「商品一覧」「検索結果」「お気に入り」などさまざまな画面に流用可能です。

また、機能追加や画面変更があった場合でも、オブジェクト単位で影響範囲を限定できるため、メンテナンス性が高く、システムの保守コストを抑えられます。

OOUIの導入は、結果的にプロジェクト全体のスピードと品質の両立を可能にする重要な戦略となるのです。

逆にタスク指向が向いているケースとは?

とはいえ、すべてのUIにOOUIが最適というわけではありません。明確な手順が決まっている単純な作業や、短時間でタスクを完了させることが重視されるケースでは、タスク指向UIが適しています。

最終的には、ユーザーの目的やアプリケーションの性質に応じて、OOUIとタスク指向UIを使い分ける判断が求められます。

オブジェクト指向UIデザインの基本プロセスを3ステップで理解

ステップ1:操作対象となる「オブジェクト」の抽出方法

オブジェクト指向UIデザインにおける最初のステップは、対象となるオブジェクトを洗い出すことです。これは設計の出発点となる重要な工程であり、ユーザーが実際に操作する「モノ」を明確に定義する作業です。

オブジェクトを抽出する際は、ユーザーの目的や業務フローを丁寧に観察することが求められます。ユーザーはどんな対象を選び、何に対して操作を行っているのか。

業務の中で頻繁に出てくる「名詞」を中心に整理していくことで、UIで取り扱うべきオブジェクトが自然と浮かび上がってきます。

ステップ2:オブジェクト単位でビューを設計する

次に行うのは、抽出したオブジェクトごとにビュー(画面)を設計する工程です。

ここでは「そのオブジェクトに、どんな情報を表示し、どんな操作を提供するか」を決めていきます。たとえば「宿」というオブジェクトには、「名前」「所在地」「写真」「レビュー」といった属性情報と、「予約する」「詳細を見る」といったアクションが紐づきます。

このように、オブジェクトに関連する情報と操作を1つの画面にまとめることで、ユーザーは対象を選んでから自然な流れで操作に移行でき、直感的なインターフェースが実現します。ビューの設計においては、情報の優先順位を考慮し、ユーザーが最初に目にするべき内容を見やすく配置する工夫も欠かせません。

ステップ3:ユーザー目線でレイアウトを構築する

最後のステップは、ユーザーの視点に立って画面レイアウトを整えることです。オブジェクトとアクションが整理されていても、情報の配置が悪ければユーザー体験は大きく損なわれます。重要なのは、ユーザーが画面を見たときに「何をすればよいか」が一目で分かることです。

ユーザーの視線の流れを意識し、操作への導線がスムーズに設計されていることが重要です。

また、デバイスごとにレイアウトを最適化するレスポンシブ対応も忘れてはなりません。PC、スマホ、タブレットなど、どの画面でも自然に操作できるようなレイアウト設計が、現代のUIデザインでは求められています。

Proximoは、UI/UXデザインコンサルティングを手がける会社です。

見た目や使いやすさのみではなく、ユーザーにとって価値のある体験を設計し、ビジネスとして成立する全体的な仕組みをデザインすることを得意としています。


もしご興味のある方がおられましたら、一度ご相談ください。

現場で使えるオブジェクト指向UIデザイン実践テクニック

プロジェクト導入時にOOUIを選ぶ判断基準

OOUIをプロジェクトに導入するかどうかを判断する際は、アプリケーションの性質とユーザーの行動パターンを見極めることが大切です。

まず、操作対象となるデータ(オブジェクト)が明確に存在し、それに対して複数のアクションが発生するケースではOOUIが効果を発揮します。例えば、管理システムや業務アプリ、ECプラットフォームなどはその典型です。

一方で、ユーザーが「何をするか」よりも「何を対象にするか」で画面遷移を考えるような設計が求められる場合、タスク指向UIでは対応しづらくなります。こうした背景があるプロジェクトこそ、OOUIへの移行が成功しやすく、効果も実感しやすいのです。

オブジェクトの特定とプロパティ設計の実例

OOUIを実践するうえで、まず取り組むべきは「オブジェクトの特定」と「プロパティ(属性)」の整理です。たとえば宿泊予約アプリの場合、「宿」がオブジェクトであり、そこには「名前」「場所」「写真」「レビュー」などの情報がプロパティとして結びつきます。

このように、データとアクションを一体で設計することで、ユーザーは対象を理解しながら自然に操作へ進めるようになります。プロパティはユーザーの判断材料になり得る情報なので、「どれが必要か」「どれが重要か」を整理する視点が欠かせません。

タスクとオブジェクトをどう統合してUIに落とし込むか

OOUIの理想は、オブジェクト中心であっても、ユーザーが「タスクを達成した」という実感を持てるUIを設計することです。そのためには、オブジェクト単体の設計にとどまらず、ユーザーがどのような目的を持ち、どのような順番で操作するかを考慮しなければなりません。

たとえば「宿を予約する」というタスクの中には、「宿を探す」「情報を見る」「予約する」という一連の流れがあります。これを、オブジェクト「宿」の一覧表示から詳細ページ、予約ボタンへと自然に誘導できるようUIを構成することが大切です。

このように、オブジェクト中心で情報やアクションを整理しながらも、タスクを達成できるストーリー性を持ったUIにすることで、ユーザーにとっての使いやすさと開発側の設計のしやすさを両立させることができます。

オブジェクト指向UIデザインがもたらすソフトウェア理解の進化

UIの一貫性がユーザーの混乱を減らす理由

ソフトウェアの機能が増えるにつれて、UIの構造も複雑になりがちです。

オブジェクト指向UIデザインはこの問題を根本から改善します。

すべての画面が「操作対象=オブジェクト」を軸に構成されているため、ユーザーは画面ごとにルールを覚える必要がありません。

このように、UIの一貫性を保てることは、ユーザーの混乱や学習コストを減らすだけでなく、業務効率の向上にもつながる重要な要素です。

ソフトウェア全体を俯瞰する設計アプローチとしての有効性

OOUIは、単なるUIの見た目や操作性の改善にとどまらず、ソフトウェア全体の設計思想に大きく影響を与えます。UIの設計をオブジェクト単位で考えることで、機能やデータ構造が整理され、ソフトウェア全体の構成を俯瞰して捉えやすくなります。

開発者にとっても、各オブジェクトの役割や関連性が明確になり、設計や実装の一貫性を保つ手助けとなります。

新しくプロジェクトに参加するメンバーも、UI構造を見ればソフトウェア全体の構成が把握しやすくなるため、オンボーディングのスピードアップにも貢献します。

業務アプリケーションにおけるOOUIの効果的な活用例

OOUIは特に業務アプリケーションにおいて、その力を発揮します。業務系アプリは機能が多岐にわたり、対象データも複雑になりがちです。例えば、顧客管理、受注処理、在庫管理など、それぞれ異なる業務を一つのシステムで行う必要がある場合、オブジェクトごとに画面を設計するOOUIは最適な手法となります。

また、業務の現場では習熟度に差があるユーザーが混在しているため、直感的な構造と明快な操作性を持つOOUIは、全体の業務レベルを底上げするための強力な武器になります。

まとめ

オブジェクト指向UIデザイン(OOUI)は、ユーザーの思考と操作の流れを自然に一致させることで、直感的かつ効率的なユーザー体験を実現します。

従来のタスク中心のUIでは、操作の目的に対して画面設計を行うため、対象を見つけるまでに手間がかかることが多く、操作に迷いやすくなる傾向がありました。

対して、OOUIはまず「何を操作するか=オブジェクト」を明確にし、その対象に関連する情報やアクションを整理する設計手法です。

単なるデザイン手法ではなく、ユーザーとソフトウェアの橋渡しを担う“設計思想”として、多くの現場で注目されています。
ユーザーが迷わず目的を達成できるように、開発者が一貫した設計を行えるようにOOUIはそのどちらにも応える、理にかなった設計手法です。
今後のUI/UX設計において、OOUIを理解し、活用できるかどうかが、プロダクトの価値を左右する重要なポイントになるでしょう。

Proximoでは、プロダクト改善やブランディング向上に向けてUI/UXデザイントレーニングで、内製化をはかる研修を行っております。

研修イメージは、以下です。

・基礎研修

UI/UXデザインの基本的な考え方やプロセスを学ぶための座学を実施。デザイン原則やユーザビリティ向上に役立つ知識を提供します。

・実践演習

実際のプロジェクトを題材にした演習を通じて、学んだ知識を実践に活かせるスキルを養います。UI/UXデザインをプロジェクトに適用する方法を学びます。

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