Category

運営会社について

ユーザビリティテストとは?基礎から具体的な進め方まで完全解説

Webサイトやアプリ、システム開発においては、開発者自身が「使いやすい」と感じても、実際のユーザーにとって同じとは限りません。

そこで重要になるのが「ユーザビリティテスト」です。

今回の記事では、ユーザビリティテストの基本から手法、進め方、成功のコツまでを網羅的に解説し、これから導入を検討している方に向けて実践的な知識を提供します。

ユーザビリティテストを正しく理解する

ユーザビリティとユーザビリティテストの違いとは

ユーザビリティテストを語る前に、「ユーザビリティ」とは何かを押さえておく必要があります。

ユーザビリティとは、製品やサービスがユーザーにとってどれだけ使いやすいか、理解しやすいか、目的を達成しやすいかを示す概念です。

これは単なる「見た目」ではなく、ユーザー体験全体を左右する重要な要素です。

そのうえで、ユーザビリティテストとは、その使いやすさを実際のユーザーに使ってもらうことで検証する方法です。

たとえば、Webサイトを開発したときに、「使いにくい」と感じる箇所がどこか、ユーザーはどこで迷っているのかをテストによって把握することで、具体的な改善点が見えてきます。

なぜ今、ユーザビリティテストが求められているのか

現代のサービスやプロダクト開発では、ただ完成させるだけでは不十分です。

競合との差別化を図るためには、いかにユーザーにとって直感的で心地よい体験を提供できるかが勝負の分かれ目になります。

実際、ユーザビリティの低いサイトはすぐに離脱され、コンバージョンにも大きく影響します。

また、開発側の思い込みだけで設計してしまうと、「便利だと思っていた機能が全く使われない」「想定していた導線をユーザーがたどらない」といった事態が頻発します。

こうした問題を未然に防ぐためにも、ユーザビリティテストは極めて有効な手段なのです。

ユーザビリティテストの目的は、失敗を防ぐことではなく、より良いユーザー体験をつくり出すことにあります。

ユーザビリティテストで評価すべき重要な視点

使いやすさを測る5つの基本指標

ユーザビリティテストでは、「なんとなく使いにくい」「直感的にわかりづらい」といった主観的な印象ではなく、評価軸を明確にしたうえで検証することが大切です。そのために用いられるのが、使いやすさを測る5つの基本指標です。

1つ目は「学習しやすさ」

新しいユーザーが初めて使うときに、どれくらい短時間で操作を理解できるかを指します。

2つ目は「効率性」

一度覚えたユーザーが、目的をスムーズに達成できるかどうかです。

3つ目は「記憶のしやすさ」

しばらく利用が空いた後でも、再び簡単に使えるかが問われます。

さらに4つ目は「エラーの少なさと回復のしやすさ」

ユーザーがミスをしにくい設計になっているか、仮にミスをしても復帰しやすいかを確認します。

そして5つ目は「主観的満足度」

ユーザーが全体の体験に対してどれくらい満足したかという感覚的な評価です。

これらの指標を踏まえて観察・分析することで、どこをどう改善すべきかがより明確になります。

テストで浮かび上がる潜在的な課題

ユーザビリティテストでは、単なる操作性の良し悪しだけでなく、ユーザーが抱える潜在的な課題も見えてきます。

例えば、「説明文は十分に記載しているのに、ユーザーが手順を間違える」といった場合、根本的に説明の位置や表現が適切でない可能性があります。あるいは、ボタンの配置や色、アイコンの意味が直感的でないケースもあります。

こうした課題は、開発者自身ではなかなか気づきにくいものです。だからこそ、実際にターゲットユーザーと近い人物に使ってもらい、その様子を観察することが欠かせません。

ユーザーの視点からプロダクトを見直すことで、今まで見落としていた改善点がはっきりと浮かび上がります。

テストを通じて得たデータを冷静に分析すれば、見た目や機能性だけでなく、本質的な「使いやすさ」を追求することができます。それが、ユーザビリティテストの本当の価値です。

ユーザビリティテストの主な手法とその特徴

定性と定量:2つのアプローチを使い分ける

ユーザビリティテストにはいくつかの方法がありますが、大きく分けると「定性調査」と「定量調査」に分類されます。

定性調査はユーザーの行動や感情、思考の流れなどを深く掘り下げて理解するための方法です。

一方、定量調査は数値化されたデータを基に全体の傾向やパターンを把握するアプローチです。

例えば、定性調査では、実際にユーザーにプロダクトを操作してもらい、その様子を観察したり、インタビューを通じて感じたことを聞き取ります。この方法は少人数でも深い気づきが得られる反面、主観的な内容が多く、統計的な裏付けは弱くなりがちです。

一方、定量調査では、多くのユーザーに対して同じ質問やタスクを与え、正答率や作業時間、クリック数などを数値として収集します。これにより、客観的なデータでユーザビリティの問題点を把握できますが、ユーザーの心の動きや迷いの背景までは見えにくい点もあります。

どちらか一方に偏るのではなく、目的やフェーズに応じて組み合わせて使うことで、より実効性のあるテストが実現できます。

リモートテストと対面テストの選び方

ユーザビリティテストは実施方法の面でも選択肢があります。

代表的なのが「リモートテスト」と「対面テスト」です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況に応じて選ぶことが求められます。

リモートテストは、地理的制約がなく、全国どこからでも参加できるのが強みです。

ツールを使えば、ユーザーの操作画面や音声、表情まで記録できるため、物理的に会えなくても十分なデータを得ることができます。ただし、通信環境やツール操作の不慣れによって、テストが中断されるリスクもあります。

一方、対面テストは、テストの場でユーザーの表情やしぐさ、リアルタイムの反応を間近で確認できるという大きな利点があります。

曖昧な反応もすぐに掘り下げて質問できるため、より濃密なインサイトが得られる可能性があります。ただし、会場の準備や移動の手間など、コストと時間はかかります。

両者の特徴を理解し、自社のリソースや検証したい内容に応じて最適な手法を選択することが、ユーザビリティテストの成果を高めるポイントです。

この成果を最大限に高めたい方は、是非Proximoにご相談ください。

弊社はUI/UXデザインコンサルティングで、全国の企業が持つプロダクトを最高品質に高めていきます。

弊社のサービス概要は、以下のリンクからご覧ください。


>>Proximoのサービス詳細はこちら

ユーザビリティテストの進め方を3ステップで解説

準備・実施・分析のフローとポイント

ユーザビリティテストは、計画的に進めることで初めて有効な結果が得られます。思いつきで実施しても、本質的な課題を見落としたり、再現性のない結果に終わったりすることがあります。そこで大切なのが、「準備」「実施」「分析」という3つのステップです。

最初の「準備」では、テストの目的を明確にすることが最重要です。

たとえば「トップページの導線が分かりづらいのではないか」といった仮説を立て、その仮説を検証するためのタスクや質問を設計します。また、どのユーザー層を対象にするのか、人数は何人にするのかといった条件設定もこの段階で行います。

次に「実施」では、テストの場を整え、ユーザーに実際の操作を行ってもらいます。このとき、あくまでユーザーの自然な動きを観察することが重要です。誘導や説明を加えてしまうと、本来の行動パターンが崩れてしまうため、ファシリテーターの役割は最小限に抑えます。

また、録画やログ取得ツールを使い、後の分析に備えることも忘れてはいけません。

最後の「分析」では、取得したデータやユーザーの発言をもとに、課題を特定し、改善につながる示唆を導き出します。ただ単に「ここで迷っていた」とまとめるのではなく、なぜ迷ったのか、何が原因なのかまで深堀りすることで、具体的な改善アクションに結びつきます。

ユーザー選定の基準と適切な人数

テストの成否を分ける重要な要素のひとつが、どんなユーザーに協力してもらうかという「ユーザー選定」です。

対象となる製品やサービスの利用を想定しているペルソナに近い人物を選ぶことが基本となります。

また、ユーザビリティテストに必要な人数は、意外にも多くありません。専門家の研究によれば、5人程度のテストユーザーからでも80%以上の課題が見つかるというデータもあります。

少人数でも効果的なテスト設計ができれば、短期間で大きな改善につながります。

成功するユーザビリティテストのためのコツと注意点

ユーザビリティテストは、正しく設計すれば多くの発見が得られますが、逆に手順を誤ると、的外れな結果しか得られず、改善にもつながりません。

また、テストシナリオの設計ミスも重大な落とし穴です。ユーザーにとって現実的ではない操作を強いたり、実際の利用シーンと異なる設定で進めたりすると、得られるデータの信頼性が下がってしまいます。

さらに、ファシリテーターがテスト中に無意識にユーザーを誘導してしまい、自然な行動を妨げることも珍しくありません。

これらを防ぐには、まず「何を検証したいのか」を明確にし、それに基づいてリアルなシナリオとタスクを設計することが不可欠です。

継続的なテストと改善が大切

ユーザビリティテストは一度実施したら終わり、ではありません。むしろ、繰り返し行うことで真価を発揮します。初回のテストで見つけた課題をもとに改善を加え、次の開発段階で再びテストを実施する。

この「改善→検証→再改善」のサイクルを重ねることで、ユーザー体験は着実に向上していきます。

また、継続的なテストによって、チーム全体のユーザー視点も自然と高まります。開発者、デザイナー、マーケターなど、それぞれの立場で「ユーザーにとっての最適」を考える文化が根づき、より良いサービスづくりにつながっていきます。

ユーザビリティテストは、単なる評価手法ではなく、ユーザー視点を継続的に取り込むための強力な仕組みなのです。

まとめ

ユーザビリティテストの成果を最大限に活かすためには、テストで明らかになった課題をチームで共有し、改善施策へと落とし込む体制が必要です。記録やレポートを蓄積し、次回のテストや別のプロジェクトに活かすことで、組織全体のナレッジとして価値を持ち始めます。

さらに重要なのは、ユーザビリティテストを単発のイベントにしないことです。

開発サイクルの中に定期的なテストを組み込み、改善と検証を繰り返すことで、ユーザー体験の質は確実に向上していきます。

これにより、ユーザーからの評価や信頼、ひいてはビジネス成果にもつながっていくのです。

これまでProximoが手がけた実績としてご紹介いたします。

株式会社ケイライン ビジネス システムズ(川崎汽船グループ)|システム開発プロジェクトのUI/UXデザインを支援

お客様の声として、「弊社において以前から課題となっていたUI/UXスキルの底上げに向け、実際のシステム開発プロジェクトにご参画いただき、弊社の強みや改善点を踏まえて、デザイン研修の実施や画面デザインの標準化にご協力いただきました。まだ道半ばではありますが、弊社企画・開発部門にとって大きな気づきと成長の機会となりました。心より感謝申し上げます。」

という、お声をいただきました。

>>Proximoの支援実績を見る

弊社のサービス内容を知りたい方は、以下のリンクをクリックして、ご覧ください。
>>Proximoのサービス詳細はこちら

Latest Posts新着記事

Keywordsキーワード