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売れるSaaSのUIの考え方とは?UIの基本原則、改善の手順を詳しく解説

SaaSの成功に欠かせないのが「使いやすさ」を左右するUIデザインです。機能が豊富でも、操作が複雑であればユーザーは離脱してしまいます。逆に直感的で快適なUIは顧客満足度や収益にも直結します。

今回は、SaaSにおいてUIデザインが重要視される理由と、その基本原則について解説します。

SaaSにUIデザインが重要な理由

SaaSビジネスにおいて、UIデザインの品質は事業の成否を分ける重要な要素です。優れたUIはユーザー体験を向上させるだけでなく、企業の収益やブランド価値にも直接的な影響を与えます。

ここでは、SaaSにおいてUIデザインが重要とされる4つの理由について解説します。

ユーザーが迷わず使えて自己解決できる

UIデザインが優れていると、ユーザーは直感的にサービスを操作できます。どれほど価値ある機能が搭載されていても、その存在に気づかなかったり使い方がわからなかったりすれば、ユーザーにとって意味がありません。

適切なUI設計によって、ユーザーは問い合わせやサポートに頼ることなく、自ら課題を解決できるようになります。結果として、企業側のサポートコスト削減にもつながるのです。

顧客満足度がアップ

使い勝手の良いUIは、顧客満足度の向上につながります。ユーザーが機能をスムーズに使いこなせて、困りごとが生じてもすぐに自己解決できる環境が整えば、サービスへの満足度は自然と高まります。

また、優れたUI設計によって顧客満足度が高まれば、上位プランへのアップグレードや追加機能購入といったアップセルの機会が増加するなど、LTV(顧客生涯価値)のアップや解約率の低減にも直結します。

SaaSビジネスでは継続利用による安定収益が生命線であるため、継続的なUI改善による満足度維持がプロダクトのさらなる成長に欠かせません。

開発や改修の工程がシンプルになる

使いやすさを追求したUIは、自然とシンプルで一貫性のある設計になります。この設計に明確なデザインルールと統一されたコンポーネント(ボタンやアイコンなどの要素)があれば、新機能の追加や既存機能の改修がスムーズに進みます。

特にSaaSでは段階的に機能を追加していくケースが多いため、拡張性を考慮したUI設計が重要です。開発工数が削減されれば、市場の変化やユーザーニーズに迅速に対応でき、長期的な保守運用コストの削減にもつながります。

SaaSのUIデザインの基本原則

SaaSのUIデザインを成功させるには、押さえるべき基本原則があります。見た目の美しさだけを追求するのではなく、ユーザーにとって本当に価値のあるデザインとは何かを考えることが重要です。

ここでは、優れたUIデザインを実現するための2つの基本原則について解説します。

直感的に操作できること

UIデザインにおいて最も重要な要素は、わかりやすさです。おしゃれで洗練された見た目のデザインが必ずしも優れたUIとは限りません。ユーザーが説明書を読まなくても、迷うことなく目的の操作を完了できることが理想です。

具体的には、背景色と文字色のコントラストを適切に保ち、長時間見ていても目が疲れにくい配色を選ぶことが大切です。また、読みやすいフォントの選択や、ボタンやリンクの配置が直感的に理解できるレイアウトも重要な要素となります。

さらに、デバイスごとの見え方の違いにも注意が必要です。各デバイスでの表示確認を怠らず、あらゆる環境で一貫した使いやすさを提供することが求められます。

ユーザー目線であること

UIデザインを改善する際に意識すべき点は、ユーザー視点で設計されているかどうかです。ターゲットとなるユーザーが何を求め、どのような課題を解決したいと考えているのかを深く理解し、その答えをしっかりと伝えられるUIを構築する必要があります。

サービス提供側の視点では、すべての情報を余すことなく伝えたいと考えがちです。しかし、情報過多はかえってユーザーを混乱させる原因となります。

ユーザーの行動パターンや思考プロセスを理解し、彼らの立場に立って考えることで、真に使いやすいUIデザインが実現します。ユーザーにとって本当に必要な情報を厳選し、求める情報へスムーズにたどり着ける設計を心がけましょう。

効果的なUIにするためのSaaSのデザインプロセス

SaaSのUIを効果的に改善するには、体系的なプロセスに沿って進めることが重要です。

ここでは、UI改善を成功に導く4つのプロセスについて解説します。

1|問題点を把握する

まずは、定量調査と定性調査の両面から現状の問題点を正確に把握しましょう。ユーザーがどこで操作に迷っているのか、どの部分が使いにくいと感じているのかを明確にする必要があります。

具体的な手法として、まずヒューリスティック評価があります。これはUI/UXの専門家であるデザイナーが、ユーザビリティに関する確立された原則に基づいてプロダクトをチェックする手法です。専門家の視点から抜け漏れなく改善点を洗い出せるため、初期段階で効率的に課題を発見できます。

次にユーザーインタビューやアンケートを実施し、実際のユーザーの声を収集します。インタビューでは、ユーザーが抱える課題や不満を深く掘り下げて理解できます。アンケートでは、多数のユーザーから定量的なデータを集め、大まかな傾向や課題の規模感を把握します。

さらに、ユーザビリティテストでターゲットユーザーに実際にプロダクトを操作してもらい、フィードバックを得ることも重要です。

2|市場調査・分析

問題点を把握したら、次にユーザーのニーズと課題を体系的に分析していきます。調査で判明した問題に対して、具体的にどのような改善策が有効なのかをユーザー視点から考えることが重要です。

具体的には、ターゲットとなるペルソナを詳細に定義し、年齢や職業、性格、趣味などの属性を具体化します。そして、カスタマージャーニーマップを作成してユーザーがサービスを利用する一連の道のりを可視化し、各接点での体験を分析します。
このプロセスを通じて、製品やサービスの本質的な課題を仮説ベースで特定することで、改善の優先順位を適切に設定できます。市場のトレンドや競合サービスの動向も参考にしながら、自社ならではの価値提供を見極めることが大切です。

3|プロトタイプを作成

仮説をもとに、具体的な解決策をプロトタイプとして形にしましょう。

プロトタイプは最小限の機能を備えたMVP(Minimum Viable Product)として設計し、ユーザーが実際に試せる状態にすることが重要です。Figmaなどのデザインツールを活用すれば、チームメンバーとリアルタイムで共同作業ができ、多様なアイデアを効率的に反映させられます。

完璧を目指すのではなく、早い段階でユーザーにフィードバックをもらえる状態を作ることで、方向性のズレを最小限に抑えられます。複数のパターンを用意してABテストを実施し、より効果の高いデザインを選択することも有効な手法です。

関連記事:「【初心者向け】Figmaのデザインの作り方をわかりやすく解説!」

4|検証し評価する

プロトタイプが完成したら、ユーザーの要求を満たしているかを改めて検証します。

ユーザビリティテストとして、実際にユーザーに製品を使ってもらい、操作のしやすさや目的達成の容易さを評価しましょう。

これらの評価結果に基づいて表面化した課題をもとに修正し、最終的なUIデザインを作成します。

このように、UI改善では計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルを繰り返すことが重要です。継続的な改善プロセスを回すことで、ユーザーの満足度を持続的に高められます。

日々変化する市場やユーザーニーズに対応し続けることが、SaaSビジネスにおけるUI改善の本質といえるでしょう。

まとめ

SaaSビジネスにおいて、UIデザインは顧客満足度や売上に直結する重要な要素です。ユーザーが迷わず使える直感的なデザインと、ユーザー目線を徹底した設計が成功の鍵となります。効果的なUI改善には、問題点の把握、市場調査・分析、プロトタイプ作成、検証・評価という体系的なプロセスが不可欠です。

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